
いつまでもしっかり噛めるお口を維持するために

人生100年時代を迎え、入れ歯に対する需要は年々高まっています。入れ歯治療は1本の歯の欠損から全ての歯を失った場合まで幅広く対応でき、外科手術を必要としないため、お身体の状態に関わらずどなたでも治療を受けることができます。
合わない入れ歯を我慢して使い続けていると、食事がうまく取れずに柔らかいものばかり選んでしまったり、食事量が減少してしまったりして、お身体の健康に悪影響を与えてしまいます。さらに、発音がしづらくなることで人とのコミュニケーションが億劫になり、外出を控えがちになってしまう方も少なくありません。
当院では、いつまでも楽しく元気にお過ごしいただけるよう、「外れにくく、しっかり噛める」高機能な義歯治療にも対応しています。患者さんお一人おひとりに最適な入れ歯治療をご提供いたします。
オーダーメイド義歯による精密な治療

義歯専門の歯科技工士が、十分な時間と優良な材料を使用して、外れにくくしっかり噛める、患者さんのお口にぴったりと合う入れ歯を製作いたします。こちらは保険適用外の治療となりますが、安定感、発音の改善、違和感の軽減、破折への耐性、熱伝導性の向上など、あらゆる面で優れた性能を発揮します。治療期間は状態により変動しますが、数か月程度を要します。
義歯が患者さんのお身体の一部となるまで
入れ歯は正式には「義歯」と呼ばれ、義手や義足と同様に、お身体の一部として機能する高水準な装置として製作いたします。しっかり噛める義歯を実現するためには、義手や義足と同じように、リハビリテーションをしっかり行いながら、段階的に噛み合わせの調整を進めていく必要があります。
まずリハビリ用の入れ歯を製作し、患者さんにご納得いただけるまで調整を重ねてから、最終的な型取りを行って完成させます。リハビリ用入れ歯では、治療のたびに様々な調整を実施します。
フィット感の向上、噛み合わせの調整、痛みの解消、外れにくさの改善、顔貌の改善、発音の改善など、日常生活での不満を一つひとつ改善しながら、患者さん、歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士がチームとなって共通のゴールを目指す治療法です。
この治療法では、義歯専門の歯科技工士が治療のたびに当院にお越しいただき、患者さんから直接ご要望をお聞きし、コミュニケーションを取りながら義歯を製作いたします。手間と材料を惜しまず、最高水準の入れ歯製作を目指しています。
なお、リハビリ治療中は義歯を装着することで痛みを伴う場合がございます。
ノンクラスプデンチャーによる審美的な治療

従来の入れ歯が目立つ理由は、入れ歯を固定するための金属のバネが見えてしまうことです。ノンクラスプデンチャーは、この金属のバネを歯肉の色に近いピンク色の樹脂に変更することで、目立ちにくくした入れ歯です。こちらは保険適用外の治療となります。
従来と同様に入れ歯を固定する装置は存在しますが、金属ではなく歯肉の色になじむ材料を使用することで、審美性を大幅に向上させています。適合精度が高く、比較的外れにくいという特徴もあります。
ノンクラスプデンチャーには複数のメーカーがあり、それぞれ異なる特徴を持っています。当院では、患者さんのご要望(修理のしやすさ、耐久性など)に合わせて最適なメーカーをご提案いたします。ただし、強い力が加わった際に破折する可能性があります。
安定感、発音の改善、違和感の軽減、破折への耐性、熱伝導性の面で優れた性能を発揮し、治療期間は1~2か月程度となります。
保険適用の義歯治療
取り外し可能な人工歯で、隣接する歯にフックをかけて固定する方式です。保険適用のため費用を抑えることができます。安定感、発音、違和感、破折への耐性、熱伝導性の面では限界がありますが、治療期間は1か月程度と短期間で完了します。
入れ歯治療のメリットとデメリット

治療期間の短さ
保険適用の義歯であれば、型取りをして入れ歯を製作するため、治療期間が短く済みます。オーダーメイド義歯の場合は、型取り後にリハビリ用入れ歯を製作し、度重なる調整を繰り返してご納得いただける状態に到達してから最終的な型取りを行います。長期間を要する場合は数か月かかりますが、それでもインプラント治療と比較すると治療期間は短縮できます。
清掃の容易さ
入れ歯はご自身で取り外しができるため、清掃が簡単に行えます。ブリッジのように汚れが蓄積しやすく口臭の原因となるリスクも低く抑えられます。ただし、保険適用の義歯は外れやすさ、異物感、取り外しの必要性などのデメリットも存在します。
噛む力の制限
保険適用の入れ歯は、天然歯の約10%程度の力でしか噛むことができません。オーダーメイド義歯は、保険適用の入れ歯と比較して噛む力を向上させることができます。個人差はありますが、総入れ歯でアワビや分厚いステーキを食べられるようになった患者さんもいらっしゃいます。
適合性の変化
歯を失うと長期間にわたって顎の骨が吸収されるため、入れ歯の適合性が徐々に低下していきます。歯と粘膜の隙間に食べ物が挟まって痛みを感じたり、温度や味が伝わりにくくなったりして、お食事の際に不便を感じやすくなります。この問題を解決するには、まずぴったりと合った入れ歯を製作し、定期的なメンテナンスでお口の状態に合わせて調整を続けることが重要です。
耐久性について
入れ歯は破折する可能性があります。保険適用の入れ歯やノンクラスプデンチャーは破折のリスクが比較的高くなっています。当院には院内技工室があり、状況によっては即日での修理が可能です。入れ歯が破損した際は、お気軽にご相談ください。
ブリッジ治療について

ブリッジとは、失った歯の両隣を削って、欠損した歯と両隣の歯を連結したかぶせ物をセメントで固定する治療法です。
ブリッジ治療は、インプラントのような外科手術を必要とせず、治療期間も短いため、お身体への負担をかけられない方にも比較的選択しやすい治療法です。それでいて天然歯の60%程度の噛む力を発揮できる点で優れた治療といえます。
当院のブリッジ治療の特徴
ブリッジ治療は、歯の耐久性という観点では課題が残る治療法です。両隣の歯を削って負担をかけるため、将来的に歯根破折の可能性が高まります。また、ブリッジ自体が破損する可能性もあります。
当院では長期的に安定するジルコニアブリッジなどの選択肢を用意し、長持ちする治療をお求めの方にご提供しています。
ブリッジ治療の種類

保険適用のブリッジ治療
保険適用のため費用を抑えることができます。経年劣化により破損することがあります。耐久性には限界があり、歯を削る量は多めとなりますが、審美性は基本的な水準を満たします。
メタルボンドのブリッジ治療
内側に金属、外側にセラミックを使用した構造です。金属による補強があるため、本数が増えても良好な適合性を維持できます。着色や変色しにくく、審美的に優れています。耐久性は高いですが、歯を削る量は多めとなります。
ジルコニアのブリッジ治療
ジルコニアは人工ダイヤモンドと呼ばれる素材で、非常に硬く丈夫なため、長期間の使用に優れた材質です。メタルボンドと比較して歯を削る量を少なくできます。適用は3~4本までが目安となります。
治療にはセレックシステムを使用するため、高精度な口腔内3Dスキャナーでお口をスキャンし、コンピューターでブリッジを設計します。従来の型取りは不要で、院内の技工室で条件が合えば午前中にお口をスキャンし、午後には治療を完了させることができます。
耐久性、削る量の少なさ、審美性すべての面で優れた性能を発揮します。
接着性のジルコニアブリッジ治療
隣の歯の裏側のみを削って接着する方法です。各種条件を満たしたケースのみに適用可能で、削除量を大幅に少なくでき、見た目も審美的に優れています。耐久性も高く、歯を削る量は最小限に抑えられます。
ブリッジ治療のメリットとデメリット

噛む力の回復
インプラントのように天然歯と同様の力とはいきませんが、60%程度の力で噛むことができます。入れ歯の場合は10%程度まで低下することを考慮すると、比較的しっかり噛めるといえるでしょう。
手術不要で短期間
インプラント治療と違って外科手術を必要とせず、治療期間も短いため、お身体への負担をかけられない方にも比較的選択しやすい治療法です。
固定式の利点
ブリッジは歯に固定するため、入れ歯のように勝手に外れることがありません。ただし、歯肉とブリッジの隙間は汚れが残りやすくなるため、口臭の原因となりやすい傾向があります。
隣接する歯への影響
歯を失った両隣の歯も削り、ブリッジの噛み合わせによる負担がかかります。そのため将来的に歯根破折の可能性が高まります。知覚過敏を感じる場合もあります。
ブリッジ自体の耐久性
ブリッジは経年劣化により破損する可能性があります。ブリッジの耐久性は、使用する材質や構造、支える歯の状態により大きく異なります。
治療選択でお悩みの方へ

入れ歯治療やブリッジ治療は、保険診療と自費診療の違いが大きく、他にも治療選択肢があることを考えると、簡単に決められるものではありません。
現在当院で治療を受けていらっしゃる方でお悩みの方は、歯科医師にご相談ください。わからないことがございましたら、遠慮なくご質問いただけます。
当院では無理に自費診療をお勧めすることは一切ございませんし、他の方にも相談されたい場合は、ぜひ相談されてからご決断ください。
患者さんお一人おひとりが大切にされる価値観に寄り添い、お一人おひとりにとって最適な治療を実施いたします。治療についてのご相談は、いつでもお気軽にお声かけください。